女医が経験した不妊治療のリアル

産婦人科医ではない女医が、不妊治療を受けることになりました。自分の専門外のことなので勉強したことなどを残していきたいと思います。高FSH・低AMH、両側卵管狭窄、受精障害疑い

高FSH、低AMHは未来のリスク

体外受精に挑戦することになった理由です。

私は現在29歳ですが、妊娠を意識しだしてから約1年、生理周期は25-27日とやや短めですが安定しており基礎体温も2相に分かれています。

しかし約半年たっても授からず、だんだん不安になってきたためまずは近所の産婦人科基礎体温表と経膣エコーを見ていただきました。

基礎体温はやや短めだが2相に分かれていて排卵はあるとの評価で、子宮筋腫なし、卵巣も問題なしの評価でした。そのため基礎体温からタイミングをはかりながらいましたが、さらに数ヶ月経っても授かりませんでした。

そのため別の産婦人科にかかって、経膣エコーでのタイミング法をしてみようかという話になりました。そこでホルモンの基礎値を知るために、生理3日目に採血をしたところ、FSH(卵胞刺激ホルモン)が19と年齢の割に高い値でありました。FSHは卵胞を育てるためのホルモンですから、これが高いというのは卵巣のおしりを叩かないと卵胞が育たない、反応が悪いということになります。

FSHは生理周期に連動して値が変動するものですので、実際の卵巣機能の評価は難しい部分もあり、今ではAMH(抗ミュラー管ホルモン)が追加の検査として用いられるようになっております。

AMHは卵子のもとがどのくらい残っているかを反映する検査です。これは基本的には周期や1日の中で変動のない検査です。そしてその数字が0.48と低い数字でした。個人個人のばらつきが大きい数字なので、2くらいあっても低AMHといって不安になっている方もおられますが、だいたい1-1.5くらいあればそんなに心配する必要はありません。

 

高FSH、低AMHは未来のリスク*です。これは年齢の割に卵巣機能が低く、早く閉経する可能性があります。生理がないと子供は授かることができませんが、現在生理は安定しており今子供が授からない理由ではありません。しかしAMHが低いからといって、一体いつ、閉経になるのか、予測はできません。2ヶ月後かもしれないし、数年後かもしれない。

*高FSH、低AMHで生理が不安定な場合は閉経に近づいている可能性があります。その場合は通常の体外受精だけではなくて特殊な治療が必要になる可能性があります。不妊クリニックではなく大学病院への受診がよいかもしれません

 

約1年間妊娠せず、未来のリスクを抱えたため、悠長にはしていられませんからこの高FSH、低AMHの結果を聞いたあとすぐに、体外受精をすることに決めました。

これまでに授からなかったことを考えると別の不妊の原因があるかもしれないので、こちらも並行して検査を進めることにしました。

具体的には、男性因子のチェックと卵管の通りの検査です。

 

*AMH、FSHについて新しいデータの発表があり、その内容についてはこちらに記載しました。

drmuse.hatenablog.com